第5章の~その2~ 価格を高く設定し直す
価格変更の反響
開業して価格を設定する時に、たいていの人は安めの価格を設定します。「お客様に高いと思われたらどうしよう」「誰もこなかったらどうしよう」という不安があるので、どうしても強気にいけないというのが本音です。でもフタを開けてみたら、この金額では安すぎて、キツイ…。なんていうことになることも。もしもオープン後、途中で価格を変更したらお客様からはどのような反響があるのでしょうか。
値下げすれば
「儲かっているから、下げてくれたのね」「人が入らないから下げたのね」
値上げすれば
「強気ね。繁盛しているから上げたのかしら」「お客を選んでいるのかしら」
というように、上げても下げてもお客様は不満(不思議)に思うもの。できれば価格は極力変えない方がいいのです。
価格を下げる時と上げる時
価格を下げる場合は「○○周年感謝価格」や「○○名突破記念セール」というように還元セールやキャンペーンを実施しているようにして割引すればよいでしょう。イベントっぽくできるので問題はないでしょう。
では高くする場合にはどうしたらよいでしょうか? 値上げをしたいのは客単価を上げたいワケですから、高い金額のメニューを増やせばよいのです。とはいうものの、ただ高い金額を増やしてもそうそうお客様が高い方を受けるとは考えられません。そこで人間の心理を利用します。人は3択ほど提示してその中から1つを選ばせるようにすると、中間を選ぶ性質があります。例えば1000円、2000円、5000円のマフラーがあったとします。どれも気に入っているけれど買うならどれですか? するとたいていの人はなんとなく2000円のマフラーを選ぶのではないでしょうか? この方式を利用するのです。5000円のコースがあったとして、その上に7000円、15000円のコースを設けるのです。この中から選んでくださいといわれたら、たぶん多くの人が7000円の真ん中のコースを選ぶのではないでしょうか。狙いは単価を上げることですので、15000円は選んでもらえなくても7000円を選ぶ人が出てくればいいので、5000円よりも7000円を選んでくれる人が多ければ多いほど成功です。
この時の注意点として、金額を上げたいから高額のコースを無理やり作るようなことはしないこと。高額コースはこれまでのコースときっちりと差をつけて、グレードをアップしたサービスを提供してください。苦労せずに価格だけつり上げようとすれば、必ずほころびが出ます。お客様はちゃんと見ているということをくれぐれも忘れずに。これまで以上の努力もしてください。