第2章の~その4~ 割引券やクーポン券は必要ない!?

割引券のお客様
よく目にする割引券、これが必要ないなんて、どうして!? と思われるでしょう。はじめによく考えてみてください。割引券を利用したお客様というのは、その後、何度も来店されると思いますか? なかには、ずっと行きたいと思っていたお店がちょうどタイミングよく割引券を出していたので行ってみた、というお客様もいらっしゃるでしょうが割引券を利用されるのは「安いから試しに1度行ってみた」という方がほとんです。「安いから行った」という理由で来られたお客様は定着しにくいといわれています。安かったから1度行っただけで、1回行けばもう満足なのです。こういったお客様をつなぎとめるには、結局また安くしなければ再度来てもらうことはできないでしょう。でもいつまでも割引を継続すれば店の負担になってしまいます。どんどん割引率を上げたり、さらにはクーポン誌に広告費をかけた上で割引クーポンを出せば、低価格を招くだけで悪循環です。常連になるお客様というのは、安さではなくお店を気にいって来てくださるので、割引券はあまり関係ありません。
割り引かないディズニー
例えばディズニーランドにクーポンや割引券がなくても多くの人が行くのはなぜでしょうか。それは割引券がなくてもそこが魅力的な場所だから。割引なしの高い料金を支払ってでも行きたいんです。だから自分のお店も遊園地でいえばいわばディズニーランドのような、そんな誰もが自ら行きたくなるようなお店を目指そう! と思えばよいのです。割引が目当てではなく、店が好きで来てくださるお客様こそ店を安定へと導いてくれる大事な存在です。どちらのお客様に来ていただきたいか、よく考えてみてください。 ちなみに女性に人気のあるクーポン誌の場合、最低でも5万円~の掲載料がかかります。しかも掲載サイズがとても小さいので少し大きめの下一段、コラム程度のサイズにするとたいてい10万円からの掲載料になります。毎月毎月それを継続するのは個人店にとっては大きなリスクとなるでしょう。しかも割引で得た売上はとても薄くなるため、経営を圧迫しかねません。安易に割引券をつけるのはよくないのです。
有効期限付き
ただし、もともと設定料金が高かったり、立地の不便さからなかなか新規のお客様をつかまえる機会に恵まれない場合などは割引券を利用してみましょう。その際には有効期限を設けて、必ず利益が出る範囲で割り引くようにしましょう。また、「金券」や「2000円優待券」などとして厚紙を使って高級感を出したり、安い雰囲気を出さないような券にするのもおすすめです。また割引券を前面に出すのではなく、よく見たらチラシの一番下に入っていた程度にしておくと割引券目的ではないお客様に使ってもらえる可能性も高くなります。