第2章の~その7~ 価格を設定する

想定より高めにする
さて、思考錯誤しながらもオープン準備を進めて、壁に当たるのが「価格設定」です。価格は今後の店の経営を左右する大事なものですので、他店をいろいろ見てみましょう。メニューや地域によっても差はありますが、たいだいの価格が見えてきたと思います。今度は自分のメニューにおき替えていきましょう。こんなに高く設定したらお客様が入らないのは? と思って最初は安く設定しがちですが、考えた価格の1.2~2倍程度の金額にしてみましょう。なぜ安めに設定してしまうのでしょうか。ここには深層心理が表れます。まずは安く設定した方がお客様が入りやすいと思ったのではないでしょうか。実際、安いことが魅力となって繁盛しているサロンもあります。でもエステサロンとは非日常的な空間で夢のような時間を提供するものだとしたら、どうでしょう? 1000円カットのように、早さや安さを追求しているのとは違います。エステサロンを訪れるお客様が求めているものを考えてみれば、そんなに安い料金を設定する必要はないのです。 次に高く設定してしまい、料金をもらい過ぎるのではないかと思ってはいないでしょうか。安くし過ぎて経営難に陥り、店をつぶしてしまうようでは元も子もありません。店を安定したいい状態で維持するためにも、あなたのお店が適正価格でうるおって、上質なサービスをお客様に還元すればいいのです。安くしてしまえば、カツカツになりお客様にもギリギリのサービスしか提供できません。結局はお客様のためにならないのでたくさん稼ぐことを「良心が咎める」とは考えないでください。
または自信がないことが価格に反映しているのかもしれません。たくさん経験して技術も覚えてはいるけれどなんだか自信がない。「私なんかがこんな金額いただいていいんだろうか」と弱気な自分が出ているのでしょう。そんなに自分を卑下しなくていいのです。これまでやってきたからこそ、起業しようと思ったのではないですか? 自信を取り戻してください。ただし、常に勉強する気持ちは忘れずに、開業したからといって、新しい知識を習得せずに、技術も磨くのを忘れたりしてはいけません。そこは謙虚な気持ちでいきましょう。
それと大事なことですが、後から価格を上げるのは難しいものがあります。最初安くし過ぎてしまうと、修正が大変です。こんなことからも価格は思った以上に高めに設定しておくのが無難です。